«  ようやくブログ開設。 | トップページ |  映画 「イル・ポスティーノ」 »

2009年2月16日 (月)

MISSING

人気ブログランキングへ

1982年、第35回カンヌ、パルムドールを受賞したコスタ・ガブラス監督作品「ミッシング」MISSING(アメリカ)。原作はトーマス・ハウザーによるアメリカ青年、チャールズ・ホフマン失踪を追ったドキュメンタリー小説である。僕は映画が公開された直後にペンギン版のペーパーバッグでこの本を読んだ。内容は戦慄する事実に満ちていた。

事件は1973年9月、選挙で民主的に選出されたサルバドール アジェンデ大統領の人民連合政府がCIAと米軍の介入もあからさまなピノチェット将軍のクーデタにより倒された只中で起きた。ホフマン青年はクーデタ発生から5日目、CIAが軍事政権に渡したリストにより国軍の兵士たちに連行されサンチャゴの複数のサッカースタジアムの中の一つで多くの市民と共に殺害されてしまう。

クーデタ直後の数日間だけでその数は1,200から6,000人以上、その後の累計で4万人が虐殺、10万人が逮捕、拷問され100万人が国外へと逃れた。

この作品はアメリカ映画である。主演はジャック・レモン、失踪させられたホフマンを探しにチリの首都にやって来た父親役そして助演は76年のデパルマ監督作品「キャリー」で主演を務めたシシー・スペイセクがホフマンの妻を演じている。

この映画は同年のアカデミーで脚色賞も貰っている。CIAや米軍の加担がはっきりと描かれ、現地大使館員の嘘や欺瞞が繰り返し描かれる中での受賞は、本多勝一が我が国との比較で語るように米国の持つ民主主義の厚みを感じる。ことさらオバマ新大統領の出現をここで言うまでもない。

コスタ・ガブラスの作品を語るのは、今回で一休みとしたい。ただ、政治の腐敗や市民のそれに対する無関心は恐ろしい結果を引き寄せる。中川財務大臣のG7を締めくくる記者会見の醜態は世界中に配信された。「きっこの日記」では2月15日にいち早く取り上げている。彼への軽蔑が政治全体に広がればどのような結果を招来するか、想像力を働かせておきたい。

|

«  ようやくブログ開設。 | トップページ |  映画 「イル・ポスティーノ」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1210330/29352348

この記事へのトラックバック一覧です: MISSING:

«  ようやくブログ開設。 | トップページ |  映画 「イル・ポスティーノ」 »