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2009年2月25日 (水)

エルサレムの村上春樹

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今、新聞・週刊誌であまりにも多くの人が村上春樹について語っている。”そうだ、村上さんに聞いて見よう”にちなんで「村上さん」と呼んでしまそうだが、ここは、やはり村上春樹と呼ぶことにしよう。

2月24日付け朝日新聞朝刊に載っていた週間朝日、今週号の広告”村上春樹””全文採録”のゴシック活字が眼に飛び込んで来た。1979年、群像に載っていた「風の歌を聴け」翌80年の「1973年のピンボール」以来の読者としては村上春樹「エルサレム賞」受賞スピーチを読み逃す訳には行かない。

もちろん、色々な村上春樹フリーク・ブログに演説の即時翻訳が載っているのは知っていたが、印刷物で読みたいと思っていたところだったので、この広告に飛びつき、同日発売の週刊誌を買ったのは幾多のファンと同様だ。

やはり、忠実なたくさんの読者の期待を裏切らない、素晴らしい受賞演説だと思った。何度も読み返しては涙が出た。
”小説を書くのは{脆い殻に覆われたかけがいのない魂、高く固い壁に当たっては簡単に壊れてしまう卵、すなわち、システムによって冷酷に殺される人間の側にいつも立ち、添って生きる為}とイスラエルの読者の前で彼は言い切ったのだ。

封鎖されたガザで暮らすパレスチナの人々の暮らしは1940年にワルシャワ・ゲットーに閉じ込められ、1942年末までの凄惨な暮らしの記録を残し、43年の武装蜂起の末44年に家族や仲間たちと共にナチス親衛隊に処刑されたエマヌエル・リンゲルブルグの「ワルシャワ・ゲットー」からの報告のそれと寸分も違わない。イスラエル政府はガザ住民の殲滅を狙っている。

誠実に発言し行動する村上春樹の、拍手と喝采を浴びる映像は世界中に配信された。必ずやガザの人々心強い味方となったことだろう。ただ、ガザの住民は外国人を当てにはしていない。自らの窮状を救うのは自らの武装組織だと肝に銘じている。

それでも、先週の金曜日、「2月20日に村上さんがエルサレムに行ったのはやはり良い選択だった。」と同世代の友人とふたりで盛り上がっていたのだが、図らずもそれが証明されたようで嬉しい。イスラエルの人々の中にも”殺すな。”と叫ぶ
人々はいる。

参考書籍:

[ワルシャワ・ゲットー ]E.リンゲルブルム著 大島かおり・入谷敏男訳 1982 みすず書房

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