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2009年2月22日 (日)

 大スター デンゼル・ワシントン

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その後あっと言う間に大スターになったデンゼル・ワシントンを劇映画で初めて観たのは「遠い夜明け」(1987)の主役、ステイーブ・ビゴとしてだった。監督は映画「ガンジー」のリチャード・アッテンボロー。確か、彼は英国出身。戦争映画「遠すぎた橋」も彼の作品だったか。第2次大戦末期。英国の将軍モンゴメリーの壮大な作戦失敗を描いた映画としても知られている。

映画は狂言回し役のドナルド・ウッズが南アで新聞記者時代に体験した実話を基にしている。家族が脅迫され、彼は家族共々英国へ亡命する。1975年に南アの実情を暴く為に出版された小説「Cry for Freedom]が評判を呼び、映画化された。映画ではケビン・クラインが本人役の新聞記者を演じている。

フランスは自国の映画制作に補助金を出しているが、これは結果として自国語映画保護にも繋がっている。法律で外国語の映画は原則、全てフランス語に吹き替えられないと上映出来ない。例外はシャンゼリゼ通地区。オリジナルの英語で観ようと思ったら、遠くまで出掛けて行かなくてはならない。不便この上ないが、それが国策・文化政策だから仕方がない。

僕は1987年に、この映画をシャンゼリゼ通りの映画館で観た。主人公・ステイーブ・ビゴが瀬死の状態で護送車のむき出しの床の上に放り出される。その場面は、有る仏映画の一場面を僕に思い起こさせた。ナチス占領下のリヨンで対ナチス抵抗組織束ねたジャン・ムーランが捕まり、拷問死間際で護送車に乗せられる。秘密警察の密殺手口は国や時代が違っても必然的に同じような様相になるもののようだ。

ネルソン・マンデラが漸く釈放されたのは1992年か、スチーブ・ビゴが惨殺されてから20年の年月が経っている。マンデラ釈放の場面は同時中継でフランス全土に国営テレビで流されたと記憶している。フランス社会の人種差別の実態は兎も角、フランス革命以来、建前としての自由・平等・博愛を掲げて外交の表看板にして行動するのがフランスだ。

人権を外交に使うしたたかさを彼らは持ち合わせている。テレビ中継にはその意図が背後にあったのだろう。ドイツと並んでフランスも米国のイラク侵略には米国が上げた証拠には全く根拠がないと反対した。ブッシュのポチ、小泉純一郎とは大違いだった。欧州の国々は米国を頼りにするが、必ず一線を画する。

もっと古い話だが、1975年、ベトナム戦争が終結した際、旧宗主国のフランスに南ベトナム難民が大挙して押しかけた。タクシーの運転手さんの中にも、そのような南ベトナム系の人が多くいた。従って、彼らの一人が運転する車に乗り合わせる機会も多かった。彼らが一様に語るのは「フランス人たちの中には好きになれない人も大勢いるが、何と言っても、ここの政府は滞在許可の「紙」をくれるから助かっている。」と言う言葉が印象に残った。日本政府は政治難民や亡命を認めていない。

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