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2009年2月20日 (金)

「アルジェの戦い」と「Z」

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「アルジェの戦い」の監督はジロ・ポンテコルヴォと言う人だが、僕は40年間、この作品はコスタ・ガブラスによって撮られたものだと思いこんでいた。大したぼけぶりだ。ただ、下手な言い訳になるが、1968年に「アルジェの戦い」を観た後70年にコスタ・ガブラスの「Z」(1969年、仏、アルジェリア合作)を観ているので同じ監督だろうと思い違いをしていた。

映画「Z]の主演はイブ・モンタン、イレーネ・パパスそれに「男と女」のジャンルイ・トランティニィアン(Trintignant)と制作も手掛けたジャック・ぺランが準主役、脇役を張っていた。

同映画は67年から74年までギリシャを支配した軍事政権下で実際に起きた野党政治家の暗殺事件を下敷きに展開する。テレビ局のニュース映像用に撮られた暗殺現場のビデオ再生を予審判事が証拠調べに採用し、犯人探しが進んで行く。映画の狂言回しは予審判事役のTrintignantだ。

この映画の終幕では事件を追及していた報道番組キャスター自身も逮捕されてしまうのだが、それがテロップと共に顔写真映像として流れる場面では、後になって日仏で観客の反応が違うことが分かり、面白かった。

1970年に国内某所で観た時は観客はしーんと静まり返っていたが、73年にフランス人の観客の中で観た際は、その苦いユーモアに笑い声が上がっていたことを思いだす。

ヨーロッパ現代史の恥、ギリシャの軍事政権成立の背後にはパパドブロス大佐が率いる軍事諜報組織、KYPが存在し、戦後間もなくから長年CIAが公然と援助していたことはNew York Times記者、テイム・ワイナー著「CIA秘録上下」(文藝春秋刊)の10章「佐官たち」に描かれている。軍事政権末期、ギリシャ国内の密告屋は10人に1人ほどにもなったと言われている。

もっともCIAは肝心の軍事クーデタを事前に察知出来ず、政権内部で大恥を掻いたそうだ。この本は全編、膨大な予算を使いながら、歴史的事件の予測を悉くはずすCIAのまぬけぶりを暴露している。それでも秘密裡に行われる拷問や密殺は決して許されるものではない。

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