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2009年4月28日 (火)

2009年の大恐慌前夜。

1929年10月、20年代アメリカの「泡経済」はウォール街における株価下落とともに、壮観なまでの崩壊を見せた。しかし、その翌年に前半には株価低落は底入れし、景気は28年並みに回復していた。だが、オーストリアの一銀行ークレデイット・アンシュタルトーひとつの破綻をきっかけに世界経済が新たな不況とデフレに陥り、そこから完全に回復するのに長い年月と第2次世界大戦を必要としたのは、なぜだろうか。(マッド・マネー第3章S・ Strange著より)
 
今回の大恐慌一歩手前にある米欧発金融危機が起こるとすぐに、ふざけたことに英国のブラウンそして米国のオバマまでが「日本の失われた10年のように銀行の不良債権問題を先送りすることはない。」と言う意味の発言を記者団を前に行った。国民の眼から自らの国の失敗を覆い隠そうとするために大人しい日本と言う国を利用しようとしたのだ。欧米階級社会に横たわる底意地の悪い、したたかな欧米人たちの計算が透けて見える瞬間だった。

しかし、米国の経済学者P.クルーグマンが「日本よりも不良債権の処理速度が遅い。」と早々に謝罪したように、新たな大恐慌前夜を思わせる恐ろしい報道が4月22日と26日に相次いだ。これは豚インフルエンザより恐ろしい厄災を我々にもたらすかも知れない。英国のブラウン首相も「日本こそ金融危機解決の手本」と考えていることは間違いない。英国銀行の不良債権だけでも25兆円に上ると言う。英国経済が簡単に立ち直らないことは間違いない。

世界の金融機関が抱える潜在的な損失は約400兆円。米国内では毎月のように増加、この4月で270兆円に増えた。欧州で120兆円だが、まだ増えることは確実だ。日本は15兆円弱。26日の朝日社説によれば、北米も欧州も銀行も損失をあいまいにし、問題を先送りするのではないか。どちらも国民と議会の怒りが怖い。と書かれていた。米欧での銀行損失への穴埋めには90~170兆円の資本増強が必要と出ているが、実際はどの位の額が必要になるか、空恐ろしくて算出できないと言うのが本音だろう。

ここに、もうひとつ1931年の大恐慌初期に極めて良く似た、冒頭のような恐ろしい事例が朝日新聞26日付け記事で出ている。「オーストリア一国が中欧諸国に貸し付けた債権残高は同国のGDPの75%に上る。」と言う記事がそれだ。オーストリアのGDPは25兆円弱。その75%は19兆円弱となる。今回の欧州金融危機は小国、アイスランドの銀行で始まった。次に金融危機は1931年同様にオーストリアで拡がっている。今回は一銀行の破綻では済まない。IMFが総力を上げて支援しなければ、オーストリアの財政そのものが破綻する恐れがある。事態は深刻だ。IMFはNAB・新規借入制度を50兆円に増やし、資金枠を70兆円に強化する。

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