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2009年5月31日 (日)

第1章 第五話 日本人は知っていることばかりだ。

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小説 若気の至り...第五話 

かの国で一部の人々に見られる傾向ではあるが、鼻につくなあと感じたのは

次のような出来事があったからだ。

それはある高層住宅の1室に住む日本人家庭で開かれた、ささやかな夕食会で出会った定年退職した元官吏の男性と歳の離れた日本人女性の夫婦との会話での出来事。日本人夫婦が他に二組、5人の日本人の中で現地人は一人だけだったが彼は日本に数年暮していたそうだが、日本語は話せずただイギリス語は使えた。食事後の会話の中で、彼は雄弁にイギリス語で日仏の近、現代史を40分程滔々と語ってくれた。居合わせた殆どの日本人達はフランス語は得意だが、普段イギリス語を使っているわけではない。自然、僕と彼だけの会話となってしまった。彼の語りが終わると、彼はどうだとばかりにその場で見えでも切ろうと言う勢いだった。傍らで一緒に話を聞いていた妻曰く、「みんな中学が高校の教科書で習ったような話ばかりね。私達が何も知らないとでも思っているみたいね。」俺もその通りだと思っていた。退屈な教師から退屈な講義をえんえんと聴かされたかのような気分だった。「皆みくびられたもんだな。少し、ぎゃふんと言わせておこう。」と日本語で彼女にささやいた。この定年退職官吏は御他聞に漏れず、グランゼコール、この国独特な学歴社会の頂点に位置するエリート大学校出身者だ。彼等に共通する優越意識は鼻持ちならない。彼らは自分以外は無知で阿呆だという思い込みがある。進学した高校あたりから大衆は無知と見下して生きてきた人生だ。エリート高校生は社会的には準エリート構成員見なされると言う。ましてや、相手は若い日本人夫婦たちである。おまえ達はこの国のことも何も知るまいと思われていたのだろう。「貴国がインドシナやアルジェリアで何をして来たかは日本でも良く知られていますよ。植民地での蛮行は お国の中学や高校の教科書には載っていないようですね?」と俺は質問した。答えはおよそ、想像がつくように自分の国が犯した過去の行為を肯定するような話が続いた。植民地も悪い面ばかりではなかったと言う類の聞き飽きた弁解に終始したのだった。彼らの優越意識が垣間見られたひと時ではあった。

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