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2009年6月19日 (金)

第2章 第三話 うまく行かない企み

人気ブログランキングへ小説 若気の至りは熟年まで続く。

その国は飲食・サービス業に対しても脱税には非常に厳しい態度で当局は臨むことで知られていた。もちろん、下級役人の嫌がらせがないわけではないが、税務署員は概して真面目に経理帳簿を調べて歩く。そこに、かつて日本人が経営する草分け級の日本食レストランがあった。そこは大変繁盛し儲かっていた。やたらと高くてまずい、その上従業員は横柄と言う、海外での草分け日本食に良くある3つの特徴が完璧に揃った店だった。今なら西原理恵子と相棒の神足某が「恨みしゅらん」で3星を上げるような店だ。

ガイド上がりの経営者はがめつく、どんなに儲かっていても従業員には最低限の給料しか払わないと言うことでも有名だった。そんな店だったが、創業から20年後、経営者が突然海外逃亡してしまった。聞けば税務当局に密告があったらしく、自宅が強制捜査の対象になり、マルサの手で多額の現金が隠し場所から発見されたのだと言う。脱税で逮捕を恐れた経営者は何も持たず日本へ逃げ帰ったと言う話だ。恨みによる密告だろうとの噂が一時そこでは流れたが、それには皆納得していた。店はもちろん、他人の手に渡り、わずかな出資をしていた別の日本人が翌日から経営者然として現れたのには常連客全員が驚いた。

さて、周作もどきと小太りの二人組みは「かすり」を取ろうとしていたことは前回書いた。ただ、どの取引先からも「良いでしょう。払いますよ。でも、税法上きちんと計上します」とあまたの取引先から言われて、書面上で不正がいずれ発覚するのを恐れたのか、その企てはあまりうまく行かなかったと聞いた。結局、彼らが何をしようとしていたか、ふたりの悪評がますますその狭い世界を駆け巡るだけに終わってしまった。

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