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2009年7月27日 (月)

決して責任をとることのない高給役人たち

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ねじまき鳥クロニクル」を書くに当たって村上春樹はノモンハン戦争について出来るだけ詳しく調査し、その結果帝国陸軍の上層部は兵士には犬死を強い、現場指揮官に自決を迫りながら全く責任を問われることはなかった。と書く。この愚かな局地戦争の失敗が検証されることはなく、軍部は2年後の1939年に太平洋戦争に突き進み、ノモンハンと同じ種類の愚劣な失敗を繰り返しながら私達の国を破局の淵にまで追い込んで行く。

村上春樹はこの過程における帝国陸軍の無責任体制に呆れ、それはそのまま地下鉄サリン事件における営団地下鉄や消防庁そして警察庁トップがどうしても適切な判断を下したとは思えない現実と相通じることに愕然とする。ここで失敗の本質を検証し分析し、次の突発的な事件や事故に対して解決策を共有し得ないならば、あまたの犠牲者の死は無駄になる。「アンダーグラウンド」の解説の中で村上春樹が強調するのはこのことだ。

役人のネグレクトを許しておいては悲劇はいつまでも繰り返される。ノモンハン戦争の失敗から消えた年金まで、高給役人の無責任が罰せられたことは過去一度もない。それどころか、冤罪事件に関わった県警本部長はその後も順調に出世したなどという話を聞いたのは昨日のことのようだし、そのような事実は数限りなく見つけることが出来る。

僕等自身が物事をあやふやにしたり、上層部や役人の責任を追及するのを大人げないなどと思う文化から、そろそろ決別すべき時が来たのだ。そうでなければ、いつまでも弱い立場の、現場で懸命に働く人たちが犠牲になり続ける。

ノモンハン戦争についてすぐれた戦史を書いたA.D.クックスは、あのような大失敗と悲劇を招いた責任者が誰も処罰されなかったことに驚き、日本人の対話者に向かい、「他の国にならクーデタか革命がおきますよ」と呆れていたと言う。

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