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2009年7月 5日 (日)

村上春樹の「1Q84」を読む

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アマゾンでも村上春樹著「1Q84」の書評が夥しい数に上っていると言う。基本的には素人の書評ではある。小説の読み手に素人も玄人もないように思うが、文学評論で飯を食っている人間は一応玄人なのだろう。ただ、今現在文学評論やその出版だけで食べて行けるとは到底思えない。彼ら彼女らのほとんどは大学の教師だったり、出版社に属する編集者だったりするのだろう。文学評論が小説家の余技である場合ももちろん多い。

皮肉な話だが、文芸評論一本では食べて行けないので有れば、そこには素人芸も玄人芸も存在しないとも言える。小説を手に取り、買い上げ、読み切った者はその小説をどのように批評しようと彼、彼女の自由だ。その小説にどのような感想を持とうが勝手と言うものだ。許されないのは読みもしていないのに事実に基づかない誹謗・中傷を繰り返しアマゾンのようなネット書評欄に投稿する行為だけだ。

さて、このところ新聞の書評欄で村上春樹の「1Q84」が取り上げられない日はないといっても良い。村上春樹は自分自身への批評も評論も読むことはないと明言している。そこで、「1Q84」に話を戻すと、ふたりの主人公・青豆にも天吾にも子供時代にきちんとした家庭生活を送った記憶はない。天吾に至っては他の男に恍惚とした表情で乳房を吸われる母親の幻影しか残っておらず、それも1、2歳の幼児にそのような記憶が残るものかどうか天吾自身が疑っている。

青豆は両親がカルト教団に絡め取られ、十代の早い時期に両親の元から脱出している。青豆も天吾も「あらかじめ失われた家庭」から出て来ているところが村上春樹らしい。村上春樹が極めて誠実に地下鉄サリン被害者にインタビューを重ねたことは良く知られている。それは「アンダーグラウンド」に結実しているのはご存じの通りだ。
その長期に渡るインタビューの過程で村上春樹はカルト教団の危険性を強く認識すようになったのだろう。

「1Q84」には小説のモデルとなったであろうオウム真理教の他に、今後人権侵害の疑いが濃厚で捜査の対象になり得る「ヤマギシ会」と思しき農業共同体が登場する。青豆の両親が絡め取られているカルト教団は「エホバの証人」がモデルだろうと誰にでも想像はつく。村上春樹はカルト教団が自分では何も選び取れない年少者に及ぼす害毒を強く危惧し、それが「1Q84]を彼に書かせた動機のひとつではないだろうか。

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