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2009年8月15日 (土)

村上春樹を読んで8月15日を振り返る

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ここに書かれているのは村上春樹が「アンダーグラウンド」で著者初めてのインタビュー取材を終えての率直な感想・感慨だ。

「ねじまき鳥クロニカル」という小説を書くために以前、1939年の「ノモンハン戦争(事件)の綿密なリサーチをしたことがあるが、資料を調べれば調べるほど、その当時の帝国陸軍の運営システムの杜撰さと愚かしさに、ほとんど言葉を失ってしまった。なぜ、このような無意味な悲劇が、歴史の中でむなしく看破されてしまったのだろう。

でも、今回の地下鉄サリン事件の取材を通じて、私が経験したこのような閉鎖的、責任回避型の社会体質は実のところ当時の帝国陸軍の体質とたいして変わっていないのだ。」と村上春樹は「アンダーグラウンド」で少し長い解説のようなのものを「あとがき」に替え書いている。

また、同じノモンハン戦争における陸軍の無責任体質は司馬遼太郎をして「この戦争のことを書いたら僕は死んでしまう。」と言わせたほど愚かな戦争だった。今もこの戦争の真相は完全には明らかにされていない。

作戦立案責任のある関東軍参謀だった辻政信は、その後も全く責任を問われておらす、あろうことか、後のちも帝国陸軍内で出世し、インパール作戦で帝国陸軍を実質的に壊滅させている。辻は人に自決を迫りながら自分だけは戦後も生き延びている。瀬島龍三も生涯、高級参謀としての敗戦責任を語ることはなかった。

村上春樹が強く指摘するのは、地下鉄サリン事件でも現場は命がけで対応したが、地下鉄、消防庁、警察庁のトップがそれに見合うだけの働きをしたとは到底思えないと言う事実だ。

僕ら自身が政治の失敗の本質を分析し、情報の開示を迫り、トップを追及する体質を獲得しない限り、高級役人はいつまでもおいしい生活を続け、私たちを踏みつけにする。地方役人を地方都市に住む市民が追及することももちろん、これからは大切になる。

話を戻すと、この愚かな局地戦争の失敗が検証されることはなく、軍部は2年後の1939年に太平洋戦争に突き進み、ノモンハンと同じ種類の愚劣な失敗を繰り返しながら私達の国を破局の淵にまで追い込んで行く。当時の米軍作戦司令部は、日本軍について「一般兵士は極めて勇敢で優秀。下級将校は生真面目。それ以上の将官は愚かで無能」と記録している。

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