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2009年9月 6日 (日)

ジャック・アタリを有難がるまい

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ジャック・アタリを有難がるまい

4月28日に「当たらないフランス人政治学者の未来予測」というブログ記事を書いた。ジャック・アタリという政治・経済学者が「21世紀の歴史」という未来予測本を書いており、日本でも翻訳本が出版されている。何時までフランス人学者の予言などを有り難がっているのかと呆れてしまう。2400円もする分厚い著作だが、日本への評価は不当に厳しい。総じてフランス人は自分たち以外に対して、興味も関心もない。大衆にしてそうなのだから、グランゼコール出のエリートが自国以外を高く評価するはずもない。フランスの近現代史は1870年の普仏戦争以来1945年の第2次世界大戦終結まで敗北の歴史でしかない。特に第一次世界大戦以降はご存じのように米国の存在なくしては、名ばかりの勝利もなかった。戦争映画でのフランス人の象徴的な描かれ方は「プライベート・ライアン」を観ても良く判る。ナチスドイツ軍との戦闘行為を邪魔する、みじめでやっかいな存在として彼らは描かれている。1945年以降、フランス人はアメリカ人に対しては文化的優越感を持ちつつも軍事・経済的には圧倒的な劣等感に苛まれてきた。さて、ジャック・アタリについて以外な所で興味深い記述に巡り合った。それは「マッド・マネー」カジノ資本主義の現段階(1998)中、第6章 債務国について著者スーザン・ストレンジが次のように書いているのだ。少し引用してみよう。
「中央・東欧諸国ーーもし1990年代の大きな失敗の一つがアフリカ諸国の債務処理にあったとすれば、もう一つはまちがいなく、ロシアをも含めた中欧・東欧の旧社会主義諸国の金融的ニーズへの対処ーあるいは無視ーだった。....イギリスはマーシャル・プランから多くの恩恵を得ており、より分別をもつべきだったにもかかわらず、おとなしくアメリカに追随し、EBRD(欧州復興開発銀行)がロンドンに設置されるべきことだけを決め込んでいた。ミッテランがフランスのために主張したのは、もしEBRDがロンドンに設置されるなら、その銀行の総裁はフランス人でなければならないということだった。-それでジャック・アタリが任命されたのだが、開発経済学についての彼の無知の程度に比べられるものといえば、彼の管理運営上の浪費の程度以外になかった。「金ぴかの銀行」というのが、その勝手放題の豪奢と管理の失敗を指す決まり文句となった。1993年末までに、EBRDの行った貸付あるいは保障の額はたったの20億ドルにとどまり、そのエネルギーは自らの所得を得ることに集中された。しかもそこから上がった利益は、まもなくその急増する管理費用によって食い尽された」ジャック・アタリは責任を問われ93年に任期途中で辞任を余儀なくされた。4月22日付の朝日新聞報道で2010年時点で北米の債務は270兆円、欧州は120兆円と報じられている。ちなみに2008年時点での欧州復興開発銀行総裁の年俸は428,000ユーロ(約5700万円)ロンドンでの公舎、公用車付き。このような西欧エリートたちに経済再生など出来るはずがない。ジャック・アタリなどに日本人の個人主義の尊重を問われたくはなどない。

「マッド・マネー」
スーザン・ストレンジ:著 櫻井公人・櫻井純理・高嶋正晴:訳
岩波現代文庫 1998年 1400円+税

「21世紀の歴史」
ジャック・アタリ:著 林昌宏:訳
作品社 08年8月 本体2400円 46判上製348頁

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