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2009年4月5日 - 2009年4月11日

2009年4月10日 (金)

雑兵たちの戦場=中世の傭兵と奴隷狩り

かつて司馬遼太郎は古代は兎も角、中世以降の日本の歴史に奴隷は存在しなかったと書いていた。もちろん、これは司馬遼太郎が間違っていたと言うような次元の問題ではなく、歴史研究の地平が新たに拓かれ、発展していることを示している。新たな事実の発見自体は慶賀すべきことだろう。

ただ、事実は私達の思い込みや歴史の都合の良い解釈を覆す野蛮で悲惨な戦場の実相を照らし出すことになる。戦勝者の側の醜悪で剥き出しの暴力の行使は目を覆わんばかりだ。「切取り強盗は武士の習い」と言う歌舞伎のせりふも有る位だから江戸町民の楽しみだった歌舞伎でも、江戸期以前の侍の濫妨働き(人も物も奪い去る行為。)は歴史上の常識として定着していたのだろう。

騎馬武者より下の階層に属する徒歩立ちの侍。それより下に位置する中間、小物、荒し子、夫(荷物を担う者。ぶと読む。)この「稼ぎ人」と言われる階層は中世ヨーロッパの傭兵と変らない。勝ち戦になれば「乱取り、濫妨取り)を行い、放火略奪を欲しいままにしたと言う。捕まえた侍身分の捕虜は悉く斬り捨て、それ以外の庶民階級は全て戦争捕虜として領国に連れ帰る。彼等は飢えから逃れる為に驚くべき捨て値で、人買いに戦争奴隷を売り払ったと言う。

この戦場に於ける悪習の背後には18世紀後半になるまで民衆は常に飢えていたと言う現実がある。その上、武士・侍が科人として検断されると、主人は処刑され家屋敷だけでなく家族・家来までも全て収奪される。と言う凄まじい中世の法習慣が存在した為だろうと著者は指摘している。

当時の戦場の実相に一番近いだろうと思われるのは「岩佐又兵衛」の一連の絵巻だ。機会を見て
「山中常盤絵巻・浄瑠璃物語絵巻」を鑑賞して頂きたい。中世・戦場もまた現実の戦場と同じく綺麗事ではなかったことが良く理解出来る。

参考書籍:

「雑兵たちの戦場」 藤木久志 朝日新聞社 1995

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 映画「The Days of Glory」植民地兵の運命

映画「The Days of Glory」植民地兵の運命

4月8日のブログで4月5日放映のNHK スペシャル番組「JAPANデビュー」への賛辞を書かせて貰った。台北市内、どこかの公園に集まる高齢の男性達。「自分達の青春がどのようにして弄ばれたか、日本の若者達にそれを伝えて貰いたい。」僕はこの番組終盤近く、画面の中で日本への怨嗟の声を上げる旧日本軍・台湾兵の場面で、涙が流れ落ちて来て仕方がなかった。

皆さんは既に80代後半だと番組進行中のテロップで知らされる。どの旧日本兵・台湾人の方々にも残された時間は少ない。[戦後の日本人にそんな事実は何も知らされないまま、自分達が苦悩を抱えたまま人生を終えるのはあまりにも無念だ。

自分達の存在まで無視され、自分達の死で全てが忘れ去れる。せめて日本と台湾、双方の歴史の記憶にささやかでも刻まれたい。このままでは戦場で散った仲間達は浮かばれない。」彼等の怨嗟の叫びには上のような思いが込められていると思うのは僕だけだろうか?

今回から始まったこの3年に渡るスペシャルシリーズはNHK番組製作者側の誠意が観る者にに伝わって来る、秀逸な作品に仕上がっていたと思う。番組制作者の過去と向き合い次の時代の平和を築いて行こうと言う強い意志を感じた。

さてここで表題の映画「The Days of Glory」について書く。今回のNHK スペシャル「JAPANデビュー」番組内で紹介されていたように、明治の帝国日本は植民地経営の手本を当時のフランスに求めた。フランスは第1次世界大戦でもアフリカ大陸から植民地兵を大量に動員し、夥しい犠牲を出させているが、この映画では第2次世界大戦末期、漸くナチス・ドイツから解放されたフランスが北アフリカからの徴募兵を戦いに駆りだし、彼等をあくまでも正規軍の下部に置いて階級差別し、戦後も年金を殆ど支給せず、この映画のヒットにより慌てて時の大統領ジャック・シラクが長年の放置を改善したと言うおまけが付いている。

彼等とはマグレブ3国(チュニジア、モロッコ、アルジェリア)からの志願兵のことである。なんと日仏の植民地政策とその残酷な結末は似通うものになるものだなと思う。それはそうだろう。どちらの国の政府にとっても植民地の人々は二級市民扱いだったのだから。差別の激しかった60年代のアメリカ南部諸州に住む黒人は白人にとって「見えない人間」だった。そう、二級市民はご主人様にとって自分たちのために働いている時しか見えな

第一次世界大戦、フランス軍下のセネガル・狙撃兵 18万人が動員され2万5千人が戦死。 

「The Days of Glory」監督 ラシッド・ブシャール 
 
主演 ジャメル・ドゥブーズ  サミー・ナセリ   
 
仏、モロッコ、アルジェリア、ベルギー合作 2006                =

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 NHK スペシャル 「JAPANデビュー」忘れ去られた旧皇民・台湾軍

4月5日(日)NHK 夜9時に放映されたJAPANデビュー「アジアの一等国」を観た。その前日に放映された、日本の近現代150年の軌跡を辿る3年シリーズ企画、「プロジェクトJAPANプロローグ」中のNHKスペシャル第一回目を観たことになる。これが自らの歴史を見直し、国民的を合意を形成する第一歩になるのだろうと感じた。日本のテレビ番組としては意図壮大ではないか。

1895年、日清戦争に勝利した日本は台湾を植民地化し、1945年、太平洋戦争の敗戦により台湾の日本支配は終わりを告げる。この間50年に台湾人が受けた苦痛と苦悩を思い胸が痛んだ。自らが選んだ訳でもないのに皇民化教育を受けさせられ、日本人にされて尚差別を受けた台湾の人々。

台湾中学を出、準エリートとされて社会に出ても受ける差別。「本当に悔しい。馬鹿にするな。」とカメラに向かってうめくように声を上げる80代後半の男性達。彼等が歴史の彼方へと忘れ去られようとしている今こそ、彼等の声に耳を傾け、画面から伝わる事実を受け止めるようにしなければならない。

誰も過去の歴史を変えることは出来ないが、過ちを繰り返さないようにすることは出来る。事実を記憶し、親子で歴史的事実を共有することは出来る。友達や恋人に番組の内容を伝えることも出来る。敗戦と共に捨て去られた旧皇民・台湾軍は大戦を通じて3万人もの犠牲を出した。

1945年の台湾開放。それでも彼等の苦難は終わらない。1948年に大陸から追い落とされた蒋介石の国民軍の軍政下、彼等は圧制に苦しめられた続けた。4月5日はNHKスペシャルによって忘れられた歴史に光が当たられた夜となった。若い人達にこそ伝えて行きたい番組構成になっていた。私達は過去の歴史を変えることは出来ないが、負の歴史からも学ぶことは出来る。このシリーズは3年に渡ると言う。被害を受けた国々との歴史的和解に向けた国民的合意を得るべく、NHKは行動に出た。

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2009年4月 8日 (水)

民主党は麻生と三流マスコミの挑発を受けて立て。

このところフジ・サンケイと読売グループの策謀が活発だ。両グループは衆院解散は今だと麻生を煽っている。麻生総理は軽いからこの扇動に乗り、第2次補正予算の成立前でも解散に踏み込もうとするだろう。これは良い機会だから民主党は挑発に乗って見たら良い。折から朝日新聞は4月8日の朝刊で菅直人代表代行を大きく取り上げ、本人にインタビューを行っている。「議員100人でチームを作り、官僚政治を破るビジネスモデルを構築する。」と菅直人は新政権構想を語っている。民主党は麻生の挑発を受けてと言いたい。

フジサンケイと読売グループは何としても自民党を勝たせたい。朝日新聞は小沢一郎を見限って、菅か岡田代表で選挙を戦わせ民主党に勝たせたい。保守と中道の戦いはマスコミの代理戦争で前哨戦が演じられている。これから小沢一郎は死んだふりをしながら麻生の出方を窺うだろう。麻生は麻生で2次補正が組み終われば解散したい。北朝鮮は緊張を煽る。その意味では北朝鮮は麻生の応援団だ。

麻生首相は5月解散に踏み切りたい。小沢は辞任の言質を与えないまま4月を乗り切る。サンケイ・読売連合は小沢一郎の居直りを囃し立てる。朝日新聞は何故辞任の決断をしないのかと小沢をなじる。麻生は国会の外で御用マスコミを使い解散を明言する。小沢は一夜で辞任を表明し、朝日・毎日が後押しをし、流れは一気に民主党に傾く。かくして麻生は衆院でまた解散発言を否定する。麻生は立ち往生したまま、任期切れで8月末解散になだれ込む。

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2009年4月 7日 (火)

麻生太郎の謀略II = 5月解散説をめぐる謀略戦の行方

既に4日も過ぎているが、4月3日付け「世に倦む日々」ブログに「管直人が小沢一郎に辞任を促していた。」と4月2日発行の毎日新聞朝刊記事についての論評が載っていた。毎日にリークしたのは管直人か鳩山由紀夫の側のどちらかと推測を述べている。管の陣営からであれば権力交代への意思表示であり、鳩山由紀夫陣営からで有れば管直人を追い出す つまりは党内左派を追い出そうとする謀略ではないかと書いている。

4月03日現在、政治評論家、学者の大半は小沢一郎辞任を促している。彼等は基本的に政権交代が必要と言う立場から、民主党が衆院選挙に勝つためには小沢一郎の党首辞任が必要との考えだ。このブログ主が言うところの”小沢信者”はネットで小沢一郎擁護を繰り広げていると言う。

東京地検特捜部が小沢一郎を逮捕・起訴まで持ち込めず、麻生太郎は小沢一郎を議員辞職に追い込めなかったことで謀略は中途半端な成功しか収めていない。今度は攻守所を変えて、小沢一郎は麻生謀略の裏をかきに廻るだろう。民主党代表を辞任しないふりをする。小沢が突っ張ったふりをしたまましばらく膠着状態が続き、麻生が解散を決断した途端、小沢一郎は即座に党首を辞任するだろう。

ただ、いくら麻生太郎が浅はかでもその程度のシナリオは読めるから、怖くて5月解散など出来ない。また、派手なことの好きな目立ちたがり屋の麻生はG8サミットに出ることに拘るだろう。民主党も2次補正予算法案を参院から出すだろう。景気回復を全面に押し出している自民党は形だけでも審議に応じざるを得ない。

かくして、このままでは麻生謀略政権は9月の任期切れまで解散は出来ない。自民党は9月まで身動きが出来ない。もちろん、地方統一選で民主党不利の傾向が続けば、小沢一郎は5月初旬に代表を辞任する。この流れで5月解散になれば民主党の支持率は再度上がり、衆院戦での自民党惨敗の結果は変らない。そんな予測が出れば、麻生はやはり5月解散は出来ないと言う結論になる。

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